「中国といえばパクリ」

と言っても過言ではないくらい様々なパクリを繰り返す中国。

中国で見つかったピカチュウやミッキー?には皆驚いた事だろう。

 

偽ピカチュウ

(引用 fireemblemwod)

偽ミッキー

(引用 GOODCREW)

 

アニメも例外ではなく、どうみてもカーズにしかみえない『汽車人総動員』やクレヨンしんちゃんをパクった『大口ドゥドゥ』、爆走兄弟レッツ&ゴーを模した『雷速登閃電沖線』など例を上げるときりがない。

 

カーズ風

(中国国営アニメ映画 汽車人総動員)

 

そんな中国がなんと12年の歳月を掛けて完成させた国産オリジナルアニメ『大魚海棠』が7月8日、ついに公開となる。

こちらがその大魚海棠の予告映像である。

 

 

どうだろうか?

少しジブリっぽさも感じるが、構図や動きの滑らかさなど、さすが12年かけて制作されただけあって中々の高クオリティとなっている。

(ちなみにジブリの高畑監督の「かぐや姫の物語」は製作期間8年である)

一時期資金不足に陥り公開が危ぶまれた事もあったが、一般賛同者から制作資金の出資を募り目標額を達成、ついに映画の完成に至る事ができた。

 

さて、気になる大魚海棠のストーリーはというと、

海の下に広がるもうひとつの世界。そこの住人は世界を管理するチカラを持つ、いわば神のような存在だ。そこに住む少女 “椿” は、ある日、イルカに姿を変え人間の世界に行こうとしたところ波に飲まれてしまう。

危ないところを人間の少年に助けられるが、少年は命を落としてしまった。少年の勇気に感動した椿は、彼を何とか生き返らせようとするのだが、それは神の禁忌を犯すことだった……

(引用 ロケットニュース24)

そしてもう一つ

女性主人公は椿という名の女の子。花海棠の成長を見守っている。14歳の時にイルカとなり人間世界を探す旅に出る。途中大波が逆巻き潮が荒れ、椿はあわや命を落とすところを男の子に救われる。しかし、この男の子は椿を救うと引き換えに命を落としてしまう。椿はその命の恩を胸に男の子の魂――小さな子魚の成長を守るようになる。小魚は最終的に「天を舞う大魚」――鯤となる。これは「北冥に魚あり、其の名を鯤と為す。鯤の大いさ其の幾千里なるかを知らず」という物語がまさにその創作イメージの源泉となっている。椿は鯤を海に戻さなければ、彼を人間世界に戻すことはできない。その間、この世界の様々な力に阻害され、霊婆の逆鱗に触れてしまう。霊婆は椿の何を奪ってしまうのか、椿は果たして自らの命で鯤の恩返しをするのか…。

(引用j.people)

霊婆が湯婆婆(ユバーバ)っぽい気がするが椿が霊婆に奪われるものが名前でないことを願う。

大魚海棠ストーリーについて梁監督は、

「大魚は男の子を指し、海棠は女の子を指す。大魚は自由を象徴し、海棠は思いを象徴する。この2点は我々一人一人の心の強さと柔らかさという二面性を意味する」

とのこと。

大魚海棠は中国の思想家・荘子の「北冥に魚あり、其の名を鯤と為す」を起源とし、上古の神話の要素も融合した壮大なストーリーのようだ。

(北冥に魚あり…の意味は荘子集釈 一〇巻に詳しく書いてあるので覗いてみると面白いだろう)

荘子といえば「井の中の蛙、大海を知らず」の方が有名かもしれないが、荘子は「自然には逆らわず、常に変化し続ける状況に身を任せればよい」という思想を持っている。
そこに在るのは、すべての違い(美醜や大小、差別、価値観)などは関係なく、この世のものはすべて均しく、生死さえも一つだというとてつもなく大きな思想である。

老子と同じく自然思想なのだが、老子は天地万物の根源である道(タオ)はすべて決められており変化しないと説き、それに対して荘子は道は刻々と変化し続けると説いている。

どちらの主張が正しいのかはわからないが、人は運命を受け入れなくてはならないという部分は同じのようだ。

意味は荘子集釈 一〇巻に詳しく書いてあるので覗いてみると面白いだろう)

 

椿

大魚海棠1

大魚海棠2

(引用j.people)

 

命をかけた2人の想いはどういう結末を迎えるのか…。

最後の瞬間は感動を呼びそうだ。

 

この映画に対してネットでの反応は

 

・千と千尋風なサイボーグ009?

・何かと何かを混ぜた感があるな 

・ ダム作りたくて絶滅させた河イルカが主役って皮肉だな 

・キャラがつのだじろう風味

 

などなど、やはり何かに似ている気がするという意見が多かった。

 

ちなみになんとこの映画には音楽部門で日本人の吉田潔さんと佐倉知佳さんが参加しているので、音楽情報もチェックしてみてはどうだろう。

 

いよいよ公開が近くなってきた大魚海棠。

中国でヒットすれば、日本でも上映される可能性がある。

その時はぜひ、中国アニメーションの進化を見に行ってみるのもいいかもしれない。