おととし日本社会をおお騒がせした「デング熱」、70年ぶりに日本国内で感染が確認されたと連日の報道。「蚊を媒介としたウイルス性の感染症」という事で感染源の蚊が見つかった公園を一時立ち入り禁止にし、殺虫剤を撒いて感染拡大の対策をしていた事を覚えている方も多いだろう。

このデング熱、現在有効なワクチンがあるわけではなく感染源である蚊の駆除が一番の予防となるのだが、日本より南の熱帯地域にある国々(インドネシア等の東南アジア諸国やアフリカ諸国。100か国以上)では毎年のように流行し対策を困らせている感染症だ。

従来の化学系殺虫剤では蚊を駆除する際にその他の虫も一緒に殺してしまい、生態系を壊す可能性や環境に悪影響を及ぼすことが懸念されるのだが、福岡県北九州市の会社が画期的な新薬剤(殺虫剤)を開発しました。

北九州市に本社を構える「株式会社九州メディカル(北九州市小倉北区、波多野稔丈(としたけ)社長)」が開発した新薬剤「モスノン」はなんと蚊の幼虫(ボウフラ)だけ殺虫、駆除する画期的なバイオ系薬剤だという。

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ボウフラにしか効かない

「モスノン」は錠剤で、ボウフラが生息している水たまりに200リットル当たり1錠(4グラム)を投与すると、6時間以内に90%以上が死ぬという実証実験結果も出ている。

最大の特徴である「ボウフラだけに効く」というところが凄いのだがその秘密は「バチルスチューリンゲンシスD142株」という天然の微生物にあります。沖縄県西表島のマングローブ林で発見したというこの微生物がつくるタンパク質をボウフラに与えると腸内で毒素に変わり、腸に穴が開き死滅させます。

蚊などの昆虫類の一部は胃が強いアルカリ性だそうで、タンパク質がアルカリ性と混ざって溶けた後、蚊独自の消化酵素で細分化、腸内で、蚊特有の「受容体」にタンパク質が付着して毒素に変化するそうだ。

他の生物、昆虫には無害で生態系や環境への悪影響は無いそうで、「よくこんな微生物を見つけたな」と「よく蚊だけに効くと発見したな」と2重に驚かされます。

幼虫を殺虫するので、蚊が飛ぶ前に(遠くまで飛んで拡散しない)が大きなポイント。特殊な誘引剤により従来の化学系の殺虫剤よりも優れた殺虫効果もある。

生産、実証事件を行ったインドネシアで、インドネシア政府から販売認可が近く出される予定。世界の注目の的となっている。

日本で使えるの?ジカ熱は?

現在は海外での生産となっているようで日本で使うには「医薬部外品に分類される事」や「コスト面」で輸入販売の敷居が高く現在は難しいようですが検討していくそうだ。

ジカ熱も「蚊を媒介するウイルス」で感染することが最近判明したそうで、ジカ熱にも、有効なのでは?と予想されています。

効果的な予防策になると良いですね。

 

↓福岡の放送局RKB様のニュース映像、参考にどうぞ。