4月12日の午前8時30分頃、東京都の築地市場で都の市場衛星検査所の職員が巡回中、有毒魚のバラハタに似た魚が販売されているのを発見。

職員が写真を撮影し魚種を確認していた所(1時間程)、4277円で売れてしまったそうだ。

仲卸店は同じハタ科『ナンヨウスジアラ』という魚として仕入れしたという。

調査が終わるまで魚を一旦引いていなかった事にびっくりだが、それだけ調査しなくてはならない魚が多いのかもしれない。

売れたバラハタは1匹で購入者が男性という事以外分かっていない。

売れたバラハタは全長は45㎝、重さは1・2㎏。

都は買ったと思われる人に食べたり売ったりしないよう注意を呼び掛けている。

心あたりのある方は都食品監視課(03・5320・4413)(小林恵士)まで。

 

バラハタとスジアラの違い

二つの魚は同じハタ科の仲間だ。

それではこの2つの魚、どれぐらい似ているのだろうか?

写真で見比べてみよう。

 

(バラハタ↓)

バラハタ

(引用 WEB魚図鑑)

 

(スジアラ↓)

スジアラ

(引用 市場魚貝類図鑑ぼうずコンニャク)

 

確かに似ている。

素人じゃ中々見分けがつきそうにない。

しかし色や形は似ているが、バラハタは尻尾の先が黄色くなっているのでそこで判断できるようだ。

 

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バラハタとスジアラの概要

バラハタは和歌山県以南の岩礁やサンゴ礁に生息に生息している。

名前の通り鮮やかな朱色で、全身に赤色の小さな斑点があるが地色が褐色の個体もいる。

成魚の全長は大体60㎝ で、大きいものは80㎝にもおよぶという。

さぞかし食べごたえがあるだろうと思うが、バラハタは生物濃縮により、シガトキシン(シガテラ毒)という毒が体内に蓄えられているため一般には食用とはされていない。

しかし毒素を持たないバラハタも棲息しており、一部の地域では食用として流通している。

その味はもっちりしていて甘味があり、脂ものっていておいしいという。

なおこのシガテラ毒は火に通してもなくならないので注意が必要だ。

この毒にかかると1~8時間で発症。発症に2日を要するする場合もある。

中毒時の症状吐き気に下痢に腹痛。

不整脈、血圧低下、めまい、頭痛、筋肉痛、麻痺、感覚異常など。

そして最大の特徴はまるでドライアイスに接触したかのように感じるドライアイスセンセーションだ。

人に起こりうる症状ほぼ全てを網羅しそうな勢いだが、後遺症が回復するのは約1週間。重症化すると半年から数年程度掛かるという。

日本で死亡例はないが、海外では数例だが死亡が報告されているという。

なお、治療法は未確立らしい。

 

スジアラは鹿児島以南の岩礁帯、珊瑚礁に生息しており、沖縄の三大高級魚の中でもトップの最高級魚だ。 (後の二つはハマダイ、シロクラベラ)

刺身で食べられる事が多く、その白身は脂がのって甘味があり上品な味わいだ。

煮つけや魚汁にしてもいいそうだ。

捕獲量も少ないため、市場価値は大変高くなっている。

一度食べた事があるが本当に美味しかった。

 

どちらも非常においしく高価な魚。

しかし口に入れるなら、安全なスジアラの方にしたほうがいいかもしれない。

 

追記:4月13日にバラハタを買っていった人が見つかった模様。

購入者は中央区の中華料理店で、騒ぎを知った店が連絡を入れたようだ。

バラハタはすでに客6名に『蒸し料理』として提供したという。

シガテラ毒は1~8時間で発症する事が多いため、今回は中毒の可能性は低いだろうとの事。

もし自分が食べていたらと思うとヒヤッとするが、なにはともあれ無事で良かった。