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東京都内で2016年10月12日午後3時50分ごろ、大規模な停電が発生。

その原因を東京電力が発表した。

「停電の原因は、ケーブル火災が原因」と発表している。

 

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ケーブル火災が起こった場所

東京電力担当者によると、「新しい情報としまして【埼玉県】新座市の野火止の洞道に敷設されている、当社の送電ケーブルから出火したということがわかっております」と語っている。

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送電ケーブルイメージ(写真は今回の火災現場とは関係ありません)

地下ケーブルは6回線のうちの一つだった

地下ケーブルは、6回線通っており、新座変電所から、練馬変電所と、豊島変電所、3回線ずつ6回線があったが、その内の1回線が、絶縁破壊が起き、火災に至った。

 

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絶縁破壊とは?

絶縁破壊とは、電気の流れる導体間を隔離している絶縁体【非導電性物質や空気層など】が破壊され、絶縁状態が保てなくなること。

自然現象の絶縁破壊としては空気中の摩擦により発生した静電気の電荷が溜まり、「雷」(カミナリ)として地上へ落ちるのが解りやすい例だろう。

雷は、空気の絶縁の限界値(約300万V/m)を超えた電位差が雲と地面の間に発生した場合に「空気を絶縁破壊」して地上(アース)へ電気が流れていく空気の可逆的な現象である。

電線送電網や電気機器では、短絡(たんらく、ショートとも言う)を防ぐために導体間(電気の流れる電線など)に一定の空間を確保したり、絶縁被覆(ケーブルを覆っているゴム樹脂製被覆など)を行い、電線や回路以外に電気が流れないようにしている。

だが、雷や配線ミスなどで設計された耐電圧(絶縁耐力、絶縁抵抗値が高ければ高い程高い)を超える高い電圧が加わると、電気が逃げ道を探して通常時では破られない導体間に放電現象が起こり導通、絶縁体を破壊して電気が流れてしまう。

絶縁破壊という言葉自体は絶縁状態が破られ、電気が流れてしまった場合で使われるが、「可逆的な絶縁破壊」の意味合いでも使われる。

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可逆的な絶縁破壊とは?

絶縁破壊は物理的に被覆(ゴム樹脂など)を放電により破壊、その際の火花で電線などの伝導体の周りの物体に火がついて焼損、絶縁状態が無くなり、電気が流れっぱなしの状態(水道管の破裂のイメージ)を思い浮かべるかもしれないが、一度破壊した後はまた絶縁状態に戻る事が多い。

電気は電子が流れる路「みち」がないと流れないので破壊された瞬間に路が無くなるということである。

自然災害などで道路が寸断されたら通れませんよね?それと一緒です。

一瞬の高電圧が原因で破壊した後、破壊された非伝導体にはすぐに空気が入り込みまた絶縁状態になります。(雷がこの例になる。)

この様な事から、「可逆的な絶縁破壊」(可逆的とは、一旦進んだものや、変化したものを、元の状態に戻すことができるような性質や機能のことを幅広く指す言葉。)とも言われている。

 

今回の絶縁破壊による火災発生のメカニズム

今回の地下ケーブルの 絶縁破壊は、ケーブルを覆っている紙に油をまいて絶縁状態を保っていたが、その油が、何らかの原因(経年劣化かもしれないとの事)で、油がケーブルの外部に漏れなんらかの原因で放電、その放電したした際の火花が、外部の油に引火して、1つのケーブルが燃えた。
そして、残りの5回線も、最初の火災で火が付き、同じように火災によって延焼、ショートを起こしてしまい、6回線全部が使えなくなり、電力を供給していた下流にある35万世帯全てが、一時期停電に陥ってしまったことが原因だと発表している。

 

今回の停電でいろいろ困ったことになった方も多かったと思います。お疲れ様でした。電気の大切さが身に染みる事故ですね。