東京オリンピックのボート・カヌー会場問題。
当初の案では海の森水上競技場でしたが、莫大な建設費用や立地の問題で見直しが検討されています。
他の会場候補としては宮城県の長沼ボート場や埼玉県の彩湖などが候補に挙がっていますが、そんな中IOCが韓国での開催を検討しているというニュースが入ってきました。
東京オリンピックなのになぜ韓国??との疑問や現地の反応についてまとめました。
どうも大会関係者によると、当初の海の森水上競技場が建設されない場合は、IOC(国際オリンピック委員会)が、韓国での開催も検討しているというのです。
その候補地とはソウルから約100キロ離れた韓国中部にある忠州(チュンジュ)市の弾琴(ダングム)湖国際ボート競技場です。
ここでは2013年に世界選手権、2014年にはアジア大会、2012年と2016年には五輪のアジア予選が開催された実績があります。
突然の韓国案に文部科学省の松野博一文科相は、
「一般論としては日本国内での開催が当然前提となるものだと考えております」
と答え、丸川珠代五輪相は、
「真偽の程はよくわからないというのが現状です」
と答えられていました。
日本側としては当然の答えだと思いますが、なぜこのような案が突然浮上したのかというとIOCのバッハ会長が主導した『オリンピック・アジェンダ2020』の中に、オリンピック開催国以外での競技実施を例外的ではあるが認めるというような内容の文言を織り込んでいるからなのです。
アジェンダ2020は透明性を保つため各界からの意見を集約してできた20+20の改革案で、2014年12月にモナコで行われたIOC総会で満場一致で採択されたものです。
開催都市の費用負担を軽減するためでしょうが、オリンピックを開催するという事はその国の技術や国力のお披露目の場でもあるわけでして・・・会場を他国に頼るのは、やっぱりちょっと恥ずかしい事のように思えます。
韓国での開催案は2年前にもIOCが選択肢として示していたようですが、見直しの内容によっては再び韓国での開催を持ち出す可能性があるようです。
そして、バッハ会長と小池都知事が18日に見直し検討後初会談。
取材陣に対し全て公開するというのは異例な事のようです。
約40分の会談の中で小池都知事は、
「費用の見直しは80%以上の方々が賛成してくれている」
「今月中に東京都としての結論はだしてまいりますけれども、スピード感を持って、東京都としてまず決めていきたい」
と答えていました。
対してバッハ会長は、「『もったいない』の精神のもとで今後とも密接に連携最善の方法を模索していきたい」
としつつも、
「東京が勝ったのは説得力がある持続可能な案だったから。選ばれた後に提案を変えないことが双方の利益にかなう」
と、当初の海の森水上競技場の建設を望んでいるようです。
今日東京都が「海の森水上競技場」の整備費を、491億から300億円前後に圧縮できる見込みが立ったというニュースもありました。
海の森水上競技場(約300億)か韓国の弾琴湖国際ボート競技場か…。
これは、もしかしたら韓国(他国)で開催するぐらいなら少々お金が掛かっても、自国で開催してほしいと思う国民感情を煽っているのかもしれません!
韓国の反応
この話を聞いた韓国のオリンピック委員会やボート協会は、
「何も知らされていないので事実関係を確認中」
と困惑した様子。
一方忠州(チュンジュ)市の担当者は、
「大歓迎です。例え開催の数ヶ月前に決まっても間に合うくらい施設は整っています」
「五輪開催となれば大変うれしい。今後は中央政府とも協議、検討したい」
と話してました。
さらに忠州市民の方は
「地域の発展にも寄与しますね」
「忠州で開催すれば、韓国にとってはメリットが大きい」
と、比較的歓迎ムードのようです。
色々揺れる会場問題。
個人的には日本の宮城県か埼玉県でやってほしいです。