徳島県の阿波市議会の藤川豊治副議長（６９）が会期中にもかかわらずネパールに旅行し、９月２９日の本会議を欠席したうえに１週間も連絡が取れなかった問題で、帰国から一夜明けた１８日釈明会見を行った。
阿波市議３期目で、副議長を務める藤川豊治市議（７０）の何が問題か？
徳島新聞が報じた記事↓
会期中に旅行の藤川阿波市議 １週間連絡取れず
阿波市議会の藤川豊治副議長（６９）＝同市阿波町西ノ岡＝がネパールに旅行し、９月２９日の本会議を欠席してから１０月６日で１週間を迎えた。市議会事務局は帰国日などを聞くため連日電話をかけているが、つながらない状態が続いている。藤川氏は現在もネパール滞在中とみられ、公職でありながら連絡が取れない状況に議員や識者から批判の声が上がっている。
藤川氏は９月２７日夕、ネパールに行くため本会議を欠席する旨を所属会派・阿波みらいの阿部雅志会長に電話で伝えた。阿部氏は、江澤信明議長や事務局へ報告することを藤川氏に促したが、本人から連絡はない。旅行日程も事務局が家族に問い合わせ、初めて１７日の帰国予定が分かった。
江澤議長は「何かあった場合は副議長に公務を代わってもらうこともある。連絡も取れないのは非常に残念だ」と指摘した。
鳴門教育大大学院の山本準教授（社会学）は「緊急連絡先の確保は議員として最低限のルール。あまりにひどく、議員の資質がない」と批判した。
藤川氏は２９日の市議会本会議のほか、阿波、吉野川両市でつくる阿北火葬場管理組合の臨時議会と徳島中央広域連合の定例議会も欠席している。
行き先を関係者に言っているとはいえ「議員が１週間も連絡が取れない」のは問題と思われても仕方がないと思うのだが、議会に嘘の欠席理由を届け出ていた事も問題を大きくしている。
藤川市議が届け出た欠席理由は「健康診断」だったが、出発直前の９月２７日夕方、所属する会派の会長である阿部雅志市議に電話があったそうで、阿部市議はこう語る。
「（議会へは）２９日は健康診断と出してるから、これで（ネパールに）行けると思った。「休みなよ」と言ってないのに、「今は関空にいるけど」と（電話があった）。嘘はアカンよ。常識があって普通。それが欠けとる」
その後、藤川市議と連絡を取ろうと議会事務局から何度も電話していた阿波市議会議長の江澤信議長は
「（電話番号は）知っているけど、「現在電波の届かないところに」と。どないもならんで。本人がどのようにこの問題を捉えているのか。あるいは軽く考えているか」
と怒りを通り越し、あきれた表情で（１０月１７日に）語っている。
藤川豊治市議「お前ら刑事みたいなことすんな」
そんな問題を引き起こした渦中の人物「藤川豊治市議」が約３週間のネパール旅行から１７日帰国、明けた１８日午前８時ごろの久しぶりの登庁で、待ち受けた取材の記者が「おはようございます」とあいさつをすると「お前ら刑事みたいなことすんな」と問題を認識していない様子。登山で日焼けしたのか、黒く焼けた顔で強気な態度だった。
しかし２時間後・・・委員会室で釈明会見を行う事に。
藤川市議釈明会見
「市民の皆さん、議会の皆さんに十分お詫びを申し上げます。私の不徳の致すところです」
強気な態度だった登庁時とは一転、態度を改め謝罪します。
藤川市議釈明コメントまとめ
・「秋がベストシーズンで天候も安定ということで２年前から行こうと決めていた。岩のぼりトレーニング、雪上訓練を中央アルプスで（行っていた）。日程的に前から決めていて、ネパールのガイドとかを紹介してくれるトレッキング会社も２年前から交渉して急に変更するわけにはいかないい。キャンセル料もいる」
・※本会議の日程と重なるのが分かった時点で行くのを止めようとしなかったのか？との問いに対し、
「７０歳ということで、体力が落ちてきたので毎日３～５ｋｍのトレーニング、ランニングを主体に１０ｋｍ走れる体力づくり、６５００ｍのメラピークに必要なトレーニングを積んできて、日程的には３人で相談して秋がいいということで。登頂の日を決めて、登頂の日が１０月１０日まででそれからは雪が降るので。３人のうち１人がメラピークに登頂しました。私ともう一人は６０００ｍのハイキャンプの手前で、これ以上登れないと体力の限界を感じて降りてきました」
・※虚偽の届出をした理由は？
「観光とか遊びに行ったのではないので。どうして嘘の届け出を出したのかは、プライベートなので正式には言えなかったのが実情」
・※旅行と会期が重なる時期と分かるのでは？
「議会の方も９月２５日ぐらいに終わってくれないかなと言ったけど、全体の運営委員会で９月２９日が最終日になった」
・※日程が重なる可能性があると思いながら日程を組んだのか？との問いに対しては
無言で頷く
・※１週遅らせれば良かったのでは？
「いやだから・・・１０日以降は雪が降ってくるけん、登頂は７日・８日と決めていた」
※２年前から決まっていたので仕方がないじゃないかという言い訳にも聞こえるが？
「そない言われてもね・・・」
江澤議長や市議会事務局に連絡がなかった事については「山の上で電波がつながらなかった」と釈明。
自身の行動が騒動になっていることは帰国直前の１５日知ったという。
藤川市議は１８日朝に副議長職の辞職願を提出、これに対し市議会は２５日に臨時会を開き、藤川副議長の副議長辞職を正式決定する見込み。
議員辞職の可能性については「考えたい」と判断を保留。今後、関係者と相談して決めるそうだ。
旅行先のネパールのメラピーク画像
↑ツアー会社のページによるとシーズンは5月か10月でこの会社のツアーでは１０月４日～２４日の２１日間（旅行代金８８万円）で組まれていました。議員が使った旅行プランではないでしょうが、年によって雪が降る時期は変わりますし、最終日程はギリギリまで幅を持たせて決定、１週間くらいずらすような計画が出来ていたのでは？と市民感覚では思う人も多いのではないでしょうか？
昔から「政治と金の問題」とよく報道されているが、それ以前の問題である政治家のモラルが問われる事件が全国的に頻発している。舛添要一前東京都知事の税金の無駄使い問題を皮切りにそれ以降、全国的に地方議会の議員政治家の「しょうもないといえばしょうもない問題（スケールは小さい）だが、疎かにしてはいけない大事な事」が多く報道されるようになっています。
副議長の役職辞職願を提出した事で事態は沈静化する可能性もありますが、本会議より趣味を優先、しかも虚偽の届け出をして市議会と１週間連絡も絶ち、マスコミに対し「お前ら刑事みたいなことすんな」と悪態もついた藤川市議への追及はまだ続きそうな気がします。
