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2016年12月16日、福岡県民、特に北九州市民の皆様にはショッキングなニュースです。

スペースワールドが2017年12月末で閉園するという発表がありました。

 

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スペースワールドといえば最近氷の水族館で話題(というか批判殺到)となり、閉園というニュースだけ聞くと「これがトドメか」と思ってしまう方もいるかもしれませんがどうやら事情が違う様です。

新聞各社の報道によると1990年4月22日の開業から1997年度の入場者数216万人をピークに徐々に減少、2005年に一度倒産(民事再生)したあと現運営会社(加森観光)の経営に変わって暫くした2009年度からは営業黒字で2015年度は過去最高益だったそうです。それならなぜ閉園となりそうですが、どうも土地貸し主(新日鉄住金)と契約更新が不調に終わり閉園する事になった模様。

 

しかし、2012年度の入場者数164万人の発表を最後に近年は入場者数を公表していなかったことから、土地貸し主との契約不調以外にも閉園理由があるかもしれません。

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レジャー産業受難の時代

黒字で儲かっているのに閉園なら

・土地貸し代を現状の賃料から増額された提示でとてもやっていけない。

・今後客数を伸ばすのが困難で、投資しても客数が年々減っていくことが予想され賃料減額を求めるも要求額にならず閉園の判断。

等が考え有られます。

レジャー産業は消費税増税されると「上がった分利益が減る」構造になっており、8パーセントの消費税がトドメだったことも考えられます。

利益が減る事への対策は「経費削減」か「売上増加」(商品価格への転嫁)しかありませんが、レジャー産業は価格への転嫁がやりにくい業種です。

同じレジャー産業のカラオケ大手シダックスも今年大量の店舗閉鎖を発表していましたし、硬貨で遊ぶゲームセンターはもっと悲惨で、福岡県では閉店が相次ぎ、ここ数年の間に数年前の半分以下の店舗数になっています。

スマートフォンの登場で「いかにお金を使わず暇をつぶすか」という事が近年の消費者には出来るようになりましたし、長いこと続いたデフレ(物の値段が安い)で給料が下がったのに、近年の物価上昇のスピードと地方都市の給与水準が追いついていない事も影響しているかもしれません。

衣食住とは関係無い「遊び」は支出が一番抑えられる傾向もありますね。

 

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施設の魅力が薄れていった?

前述の消費税のくだりで価格転嫁が難しい業種の部分ですが東京ディズニーランド、ディズニーシーやユニバーサルスタジオジャパンは消費税増税以後も強気に入場料を値上げを何度もしており「金が金を呼ぶ」「金が集まるところにはますます金が集まる」を体現、その売り上げでさらに魅力ある新アトラクションを増設、増設を繰り返しています。

スペースワールドは開業当初は話題性があったものの、時代の流れにうまくのれなかった印象がありますね~。

ブログ主自身は3回ほどスペースワールドに行った事がありますが、最後に行ったのは1999年でそれ以降は「いつか行こう」と思ったまま結局行っていません。

理由としては「子供を遊びに連れて行こう!」と考えた時にスペースワールドは選択肢から除外せざるをえない状況でした。以下に箇条書き。

ユニバーサルスタジオジャパンやハウステンボスと同じ状況だった?

・小さい子連れでは十分に楽しめない(身長制限がありすぎる)ディズニーは制限がほとんどない。

・小さい子連れで楽しめるプールやスケート、砂場があっても福岡市在住ならわざわざ北九州市まで行く必要が無い。

・せっかく行ってみたいと思わせるアトラクションがオープンしても「子供と一緒に乗れない、楽しめない」

・宇宙のテーマパークで開業当初からメインターゲットが「カップル、若者」の延長線上のままで、ファミリーでは楽しみにくかった。

・子供が大きくなったら行こうと考えても兄弟児がいると下の子もおもいっきり遊べる年齢まで遊びに行けない。

等でしょうか。

USJも「若いカップル、若者」がメインターゲットで客足が遠のいていた時期がありましたが

テーマのハリウッド映画と全く関係ないアニメ「ワンピース」をメインアトラクションに持ってきた時から業績がV字回復したのは記憶に新しいです。

映画のキャラクターにこだわらず「流行っている物ならなんでも」「面子にこだわらない」姿勢がスペースワールドにも必要だったのかもしれません。

ただ、周辺人口が関東関西と比べるとどうしても少なく、不利なので相当な努力が必要だったでしょう。

同じ九州、長崎佐世保のハウステンボスでは

ハウステンボスも同様に倒産から運営会社が替わった歴史がありますが、「閑静なヨーロッパの街並み」の面子を捨て、

「ワンピース」のサニー号

「太鼓の達人」が大壁面でプレイ

「水の王国」

「光のドラゴン」

「変なホテル」

等など、「もはや何のテーマパークかわからない」ほど大胆に施設を作り替え集客に成功している事を考えるとスペースワールドもまだまだ可能性が十分ある遊園地だったと思うので、閉園はとても残念です。

人口の多い団塊ジュニア世代が子連れで楽しめる様な設備の充実や、キャラクターをファミ通のままにこだわらず外部のキャラ、USJやハウステンボスの様に流行りキャラは何でも取り入れ、10代20代の最近の若者が喜びそうな「日本のサブカルチャー」のイベント、設備を充実していればもっと集客できたのでは?と思います。

残念ながら閉園が決まってしまったので閉園までに遊びに行ってみたいですね。