「宗像市ってせっかく静かなところなのに・・・」

沖ノ島だけの世界遺産登録に「?」。

いざ世界遺産へ登録が現実的になってきていろいろな意見が出てきています。

7月9日追記:沖ノ島と関連遺産群一括で世界遺産登録が決まりました!

このブログで心配している事が起きなければよいと思います。

 

スポンサードリンク

性善説と性悪説世界遺産辞退も

沖ノ島だけ世界遺産登録の勧告が発表されてからから2日、yahooニュースでいろいろ考えさせる記事が掲載されていました。

↓ 以下引用

「沖ノ島」世界文化遺産へ 宗像三女神を引き裂く勧告、“辞退”の選択肢も 福岡

産経新聞 5/7(日) 7:55配信
「『神宿る島』宗像(むなかた)・沖ノ島と関連遺産群」の世界文化遺産登録について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関が出した勧告は、考古学的な価値を重視し、沖ノ島以外の4つの構成資産を除くよう求めた。3カ所に祭られた「宗像三女神」を引き裂くような勧告に、地元は落胆した。 (小路克明)

「宗像大社と古墳群は、総体として一つの文化、文明だ。沖ノ島以外の資産を除いた勧告は非常に残念」。ユネスコへの推薦書案づくりに携わった西谷正・九州大名誉教授(考古学)は、こう語った。

沖ノ島からは「海の正倉院」と呼ばれるほど、数多くの遺物が見つかった。考古学ファンならずとも、ため息が出る素晴らしい品ばかりだ。

だが、沖ノ島の祭祀(さいし)は、大島にある「中津宮」や九州本土にある「辺津宮」と切り離しては存在しない。

「三柱の神」にも意味がある。沖ノ島の祭祀を支えた宗像(胸肩)族は、三女神を奉じた。宗像族と同じように航海術にたけた阿曇(あずみ)(安曇)族は綿津見(わたつみ)三神を祭る。阿曇族は宗像からもほど近い志賀島(福岡市東区)を本拠地にした。同様に海に縁がある「住吉神社」も祭神は3柱の神だ。

古代日本人の海への信仰と、3という数字は何かの関係があったのだろう。

だが、勧告は中津宮や辺津宮について「顕著な普遍的価値があると証明していない」と指摘した。信仰面の意義や価値を、考慮しなかったといえる。

九州・山口はこれまでも、世界遺産に振り回された。「明治日本の産業革命遺産」では、韓国政府が「半島出身者の強制労働の場が含まれる」などと主張し、揺さぶりをかけた。

今回、宗像の地元からは、中津宮など除外された資産も含めて、逆転登録を求める声が上がる。

だが、勧告を覆す道は険しい。沖ノ島だけが登録され、何千年も守り続けた信仰の体系に、ひびが入るようなことになれば、本末転倒だ。あえて「辞退」という選択肢もある。

世界遺産は誇らしいことだが、登録されなくとも宗像大社に象徴される信仰の重みが変わることはない。

(引用:yahooニュース)

引用終わり。

 

↑沖ノ島

(画像引用:宗像大社公式)

性善説と性悪説から観光地化を考える

地元福岡の宗像大社が世界遺産になる!!

「凄いぞ!おめでたいな~」

と浮かれていましたが、

よくよく考えると日本国内からだけではなく世界中から観光に来るわけで

過去の世界遺産の例からすると、

「ごみ問題」「マナーの問題」「自然が荒らされる」など

観光地化には大きな懸念があります。

 

性善説の場合

世界遺産を汚さぬよう、節度を持って観光してくれる観光客ばかり、

マナー良く、賞賛してくれる方ばかり。

地元も観光資源で潤い助かる。

 

性悪説の場合

世界遺産だからなに?お金を使ってやってるんだぞ!

自然、施設の破壊行為が頻繁に起こり、

女人禁制や無断上陸で「しきたり、伝統」が破られ

「先人達の残した歴史的価値が失われる」

地元は精神面で疲弊。

 

スポンサードリンク

 

日本は長い間

「家に鍵をかけなくても大丈夫」

「財布を落としてもお金は無事に届けられる」

ような文化(近年は例外)で育っていますが

 

海外は

「家に鍵がかかっていない。泥棒がくるぞ。」

「財布が落ちてたラッキー。落とす奴が悪い」

という「自身は自分で守る」自己責任の文化で育っている感じです。

 

日本人でもけしからん奴は存在していますし

文化や慣習が違う異国の人たちでも、大半の方が「文化を尊重してくれる方」でしょうが

日本の人口、世界の人口を考えると「数の理論」で性悪説が優勢になってしまいます。

 

世界遺産登録で「観光資源」としての価値は大幅に上がるかも知れませんが、

「引き換えに失うもの」があっては本末転倒です。

 

伝統文化と観光の両立するには?

今回の勧告が「沖ノ島のみ」というところが問題を大きくしているのではないでしょうか。

関連遺産郡の全て登録だったら問題は起こりにくいと予想されます。

 

沖ノ島は

「船の上からの観覧と人工の船着場までの上陸のみ」

(無断上陸を防ぐ手立てを強化しないといけない。)

 

宗像大社本殿などは

大島と九州本土の本殿は多少近代化されており、観光しやすい。

(すでに観光地化されているので。多少の問題は解決しやすい)

 

と宗像大社全体が世界遺産であれば、「世界遺産の抱える問題」をクリアーしやすいのかなかぁ。

多少の問題は出るでしょうが。

 

しかし今回の勧告は「沖ノ島だけ」なので

「絶対に守らなくてはいけない島」

と言う観点からすると、「世界遺産を辞退」が良いのかも知れません。

 

宗像に住んでいる知り合いに尋ねたら

「世界遺産候補になってから只でさえ外国人観光客が増えてきている」

「宗像市って静かなところが良い田舎だし」

「別に世界遺産にならなくても良い」(荒らされるリスクは避けたい)

「このまま何も触らない方が良いんじゃないかな~」

と言っていました。

「人類が共有すべき、顕著な普遍的価値」

という世界遺産の理念を考えると

沖ノ島は「信仰心がある人以外は立ち入るべきではない神聖な場所」と思われるので

観光地にすべきではないのかもしれません。

すでに観光地化されている大島や宗像大社はノウハウも出来ており、観光地という特性上、問題なさそうに思えますが。