歌舞伎役者で俳優の尾上菊之助さん(38)の長男、和史くん(2)が東京歌舞伎座の「団菊祭五月大歌舞伎」で初お目見えをした。
和史くんは父である菊之助さんに手を引かれながら花道を歩いていたが途中で足を滑らせてしまって転倒。
菊之助さんに抱きかかえられ舞台まで行くものの緊張からか、手で顔を覆っていた。
中村吉右衛門さんが心配そうに見守る
そんな和史くんを(共に)人間国宝の祖父である尾上菊五郎さんと中村吉右衛門さんが心配そうに見守る。
中村吉右衛門さんに抱きかかえられた和史くんに父である菊之助さんが優しく
「和史…」
と声を掛けるも和史くんはずっと顔を隠したまま。
この日の観客は2000名ほど。
まだ2歳の和史くんが緊張してしまうのも無理はない。
そんな和史くんの代わりに菊之助さんは
「この通り、ごあいさつには少し足りませんけれども、ゆくゆくはひとかどの役者となりますようおひいき、お引き立てのほどをひとえにお願い申し上げます」
と挨拶をし、観客席からは温かい拍手が送られた。
最後は緊張がほぐれたのか、和史くんはようやく顔を見せ観客席に向かって手を振った。
5月2日の囲み取材で「まだ(和史は)歌舞伎よりもアンパンマンの方が好きですね」と顔をほころばせて答えていた菊之助さん。
しかし「将来は“とと(菊之助)”みたいになりたいです」と和史くんは菊之助さんを介して伝えたという。
恥ずかしがりやさんに見える和史くんだが、芯はしっかりしている様子。
将来が非常に楽しみである。
さて、そんなほのぼのした話題から一転、和史くん初お目見えの少し前になる先月の4月5日の取材会で、尾上菊五郎さんが跡目について衝撃の発言をしていたと女性セブン(4/28日号)が伝えた。
跡目問題
それは尾上菊五郎さんが、自身の長女で女優の寺島しのぶさんの長男、眞秀(まほろ)くん(3)になんと歌舞伎の名跡「梅幸(ばいこう)」を継がせてもいいと発言したのだ。
梅幸とは初代尾上菊五郎の俳名に由来しており、(歌舞伎役者の名跡で)女形の大名跡だ。
それが長女の寺島しのぶさんの息子、眞秀くんが継ぐかもしれない事実に歌舞伎界は衝撃を受けたようだ。
眞秀くんはしのぶさんとフランス人でアートディレクターのローラン・グナシアさんの長男で、お家としては本流ではない。
菊五郎さんは、
「(しのぶが眞秀を)どうしても歌舞伎役者にしたいって言うのでね。ならせるならゆくゆくは梅幸を継がせるかね」
と発言、そして和史くんについては、
「和史は菊五郎を継がせる本流にいるけどそれはまだわかんないよ。5~6歳で初舞台踏んでそれからどういうふうにのびるか」
(引用 女性セブン4月28日号)
と語った。
眞秀くんには「梅幸」を、和史くんには(まだわからないが)「菊五郎」の名の襲名を考えているようだ。
菊五郎さんはなぜ今、このような発言をするのだろうか。
それは歌舞伎界に進出しようとするしのぶさん(眞秀くん)を快く思わない人間から守るため。
そして娘(しのぶさん)への思いがあったようだ。
しのぶさんの思い
しのぶさんは以前から「男に生まれていたら歌舞伎役者になりたかった」と語っていた。
歌舞伎役者になりたかったが、女だという事でなれなかった、さらに弟が生まれ家の中が弟を中心に動くようになった。
子供ながらに寂しさを感じる時もあっただろう。
その時の事をしのぶさんはこう語っている。
私が11歳になり、弟が6歳で初舞台を踏んだ日です。その日から、我が家は完全に弟を中心に回りだして(中略)両親と弟が熱心に歌舞伎の話をしている輪の中に私だけ入ることができず、疎外感を募らせていきました
もし自分が男だったら…そんな思いがいつしか自分の息子を歌舞伎役者にしたいという思いに変わったのかもしれない。
2007年の結婚会見の時、男の子生まれたら歌舞伎役者にしたいと語っていたしのぶさん。
菊五郎さんは歌舞伎役者になりたくてもなれなかった娘の、せめてもの願いを叶えてあげたいのかもしれない。
この騒動についてしのぶさんは
あくまでも息子(眞秀)の意見を尊重したい。どうか静かに見守ってください。
と自身のブログで語った。
和史くんが生まれたときに菊之助さんに「でかした」言っていたというしのぶさん。
願わくば今後も家族が皆仲良く過ごせるよう過ごしてほしいと思う。