世の中には様々な健康情報があふれていますが、そのような健康情報の中には医学的根拠に乏しく、効果が疑わしいものも多数あるといいます。

では、確実に医学的効果があるものはどのような食材なのでしょうか?

専門家の先生に話を聞くと、3つの食品に医学的な効果が認められている事が明らかになりました。

そんな3つの食品を、テレビ番組「みんなの家庭の医学」で紹介されていたので簡単にまとめてみます。

ひざの痛み

膝の痛みの原因

膝の痛みについて答えてくれるのは、膝関節のスペシャリスト・東千葉メディカルセンターの渡辺淳也先生だ。

膝の痛みの原因の一つにあげられるのは、変形性膝関節症です。

変形性膝関節症とは、膝の骨と骨の間にある軟骨が加齢とともにすり減ってしまい、炎症が起き、痛みが発生する病気。

そのような病気に効く食材とは一体何なのでしょうか?

ひざの痛みに効く食材

その食材とはしょうがです。

古くから体に良いものとして食べられてきたしょうがは、平安時代に書かれた日本最古の医学書、医心坊にも登場。

そこには風邪や頭痛、鼻づまりや咳などを治してくれると記されています。

そして最近の研究により、しょうがには体を温める作用と殺菌作用があると医学的にも示唆されているのです。

では膝にはどのような効果があるのでしょうか。

しょうがの効果

しょうがにはジンゲロールという物質があり、それが抗炎症作用を示して膝の痛みに効くようです。

ジンゲロールはしょうが特有の辛味成分で、普通のしょうがにも新しょうがにもほぼ同じ量含まれています。

マイアミ大学のアルトマン教授が発表した論文では、261人の変形膝関節症患者にしょうがのエキスを摂取するグループと、摂取しないグループに分け6週間経過観察を行ったところ、しょうがを摂取していたグループは約4割の人の痛みが減少したそうです。

さらに渡辺先生によると、軟骨の炎症を抑える事によって軟骨のすり減りを防ぎ、丈夫な若い軟骨を維持できる可能性があるのだそうです。

しょうがの美味しい食べ方

しょうが農家の方が実際に食べているしょうが料理とは、一体どのような料理なのでしょうか?

カレー(じゃがいものような使い方)、なすびをカツオに見立てたなすびのたたき、ゆがいたしょうがで豚バラ肉を巻く豚肉のしょうが巻。

さらにちくわのしょうが詰め、しょうがの佃煮、イタドリのガリ汁和え、ガリを入れたしょうが焼きそば、ガリを素揚げしたしょうがチップス、など。

ただ毎日沢山のしょうがを食べるのは大変だという方は、乾燥しょうがを(6g程度)食べるといいそうです。

 

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動脈硬化

動脈硬化の原因

脳梗塞や心筋梗塞などの最大の原因であるといわれている動脈硬化

動脈硬化の元凶のひとつは悪玉コレステロールです。

血管は加齢と共に傷つきやすくなります。

すると、その傷ついた部分に悪玉コレステロールが侵入し、プラーク(油のかたまり)を形成。

徐々に血管が厚くなり、いつ破けてもおかしくない状態になります。

動脈硬化の原因は、悪玉コレステロールの増加にあるのです。

悪玉コレステロールは暴飲暴食などの乱れた食生活や運動不足などが原因とされています。

ではどのような食材を取り入れればよいのでしょう。

動脈硬化を予防する食材

動脈硬化の原因である悪玉コレステロールを5週間で2割近く減らせる可能性があるという食材は大麦です。

享年75歳の徳川家康公も健康のために主食にしていたといわれています。(当時の平均寿命からするととても長生きです)

延べ10万人の血管の病気に苦しむ患者さんを治療してきた血管疾患のスペシャリスト、東京医科大学病院循環器内科の椎名一紀先生も大麦の効果については、世界的に認められている確かなもの、と答えられています。

2004年のアメリカ合衆国農務省の研究報告書によると、30代~50代のコレステロールが高い人に大麦を中心とした食事をしてもらったところ、悪玉コレステロール値がなんと13.8%~17.4%悪玉コレステロールの数値が減少したそうです。

明治中期の日露戦争の時、脚気に苦しむ軍人さんのために、海軍軍医の高木兼寛さんが海軍カレーに取り入れたものも大麦でした。

高木さんは後に東京都港区に慈恵大学病院を創立。

そして病院食に大麦を採用しました。

大麦の効果

大麦は米や小麦と同じイネ科の穀物です。

大麦には大麦βグルカンという水溶性の食物繊維が豊富に含まれており、コレステロールを材料とする胆汁酸を体外に排出してくれる働きがあります。

大麦βグルカンは腸に入ると水に溶け、水分を抱き込んでゲル状になり、腸の中にある胆汁酸を包み込んで便と一緒に体外へ排出してくれるのです。

そうすると、足りなくなった胆汁酸を補おうと、肝臓が血液中からコレステロール集め、胆汁酸を作りだします。

その結果血液中の悪玉コレステロールが減少し、動脈硬化の予防になるのです。

さらに大麦には動脈硬化の予防につながるもうひとつの効果があります。

大麦を食べた後、大麦βグルカンは糖質と混ざり合い、消化吸収を緩やかにしてくれるため、食後の血糖値を抑えてくれるのです。

そんな大麦、1日どれぐらいの量を食べればいいのでしょう。

大麦の美味しい食べ方

大麦βグルカンを1日3g摂取すれば悪玉コレステロール値が低下するとの研究結果があるのですが、これを摂取するには3割麦ごはんで約4杯もごはんを食べなくてはいけません。

そこで大麦を使ったレシピを紹介。

納豆やオクラ、長芋やめかぶなどと一緒に茹でた大麦を小鉢に入れたネバネバ小鉢、大麦の豆乳スープ、大麦ミートソース、大麦ハンバーグなど。

工夫次第で色々作れそうですね。

がん

がんの原因

日本人の死亡原因一位のがんは年間死亡者数は約37万人にものぼるそうです。

がんは主に生活習慣病といわれ、食事が30%、タバコが30%、運動不足が5%、アルコールが3%、遺伝が5%という割合のようです。(日本生活習慣病予防協会参照)

そしてがんの原因は活性酸素だといわれています。

活性酸素は細胞内に侵入し、DNAに襲い掛かります。するとDNAが突然変異の遺伝子を作りだし、この変異した細胞ががん細胞になるのです。

そんながんに効く食材とは一体なんでしょう。

がんに効く食材

がん予防のエキスパート、愛知県がんセンター研究所遺伝子医療研究部部長の松尾恵太郎先生によると、がんに効果的な食材はクレソン

なのだそうです。

クレソンはアブラナ科の野菜なのですが、これらの野菜にはイソチオシアネートという抗酸化作用を持つ栄養素が入っています。

そんなクレソンの効果について見てみましょう。

クレソンの効果

イソチオシアネートは野菜に含まれる辛味成分の一つで、この成分が体内に入ると抗酸化物質を大量に作りだします。

すると体内に大量に増えた抗酸化物質が、全身の細胞内にある有害な活性酸素を無毒化

その結果がんの発生を抑制してくれるそうです。

アブラナ科野菜の中でも特にクレソンはイソチオシアネートを含んでおり、100gあたり81.3μmol入っています。

これは2番目に多いブロッコリー38.6μmolの実に2倍以上。

クレソンを日々食べる事で、がんに強い体がつくられるようです。

がん研究の権威である国際がん研究機関の発表でも、「ブロッコリー、キャベツ、クレソンなど、アブラナ科野菜ががんのリスクを減少させる」と示唆されています。

では1日どれくらいの量を食べればいいのでしょうか?

クレソンの美味しい食べ方

実は、クレソンの推奨摂取量についてはまだよくわかっていないそうです。

ただ、クレソンの過剰摂取によって肝機能障害を引き起こすという報告もあるので、美味しく食べられる範囲での摂取が望ましいとされています。

クレソンといえば添え物のイメージが強いと思われますが、クレソン農家さんは毎日たっぷり食べているようです。

そんな農家さんのクレソンレシピはこちら。

クレソンのおひたし、茹でたクレソンを鰹節で和えたもの、クレソンの天ぷら、おからとクレソン、クレソンのぎょうざ、生ハムとクレソンのサラダ、クレソン入かき玉スープ、クレソンの混ぜご飯。

さらにクレソンのタルタルソースなどです。

クレソン農家さんはがんに強い身体なのか?

クレソン農家さんの内、6人中4人が実年齢より高い抗酸化力を持っている事が判明。

クレソンを毎日食べる事でがん予防につながる体の抗酸化力をしっかり上げた可能性があると考えられます。

みなさんも食事の中に積極的にクレソンを取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

情報が溢れすぎていて何を食べれば良いのか迷ってしまった方は、今回の「みんなの家庭の医学」で紹介された食材を試してみるのもいいかもしれませんね!