将棋界を騒がせていた「対局中の将棋ソフト不正使用疑惑」ですが、三浦九段の潔白が証明されました。これにより批判的な言動を行っていた渡辺竜王が謝罪のコメントを公式な場、(1月17日、都内で行われた第29期竜王就位式に出席した壇上)であいさつしました。
渡辺竜王のあいさつ全文
「皆様、本日はお忙しいところをお集まりいただきまして誠にありがとうございます。まず始めに、今回の件では7番勝負の直前というタイミングでメディアの取材に応じたことにより、三浦九段、読売新聞社さま、また将棋ファンの皆様方にご迷惑をお掛けしました。お騒がせしたことを申し訳なく思いますし、今後はこのようなことがないように将棋連盟の一員として将棋界の発展に努力して参ります。
今回、丸山九段とは3回目の7番勝負になりましたが、前回は2012年ということですから4年の歳月が経ち、将棋界では(流行の)戦法もだいぶ変わっておりましたので、以前とは違った7番勝負になるのではと思っておりました。
スコアも内容も一進一退の攻防が続いたんですけども、第7局というのは非常に重たい勝負でして、私自身も竜王戦では永世竜王を懸けた時(2008年)以来で久方ぶりになったのですが、この竜王戦という大舞台で最終局を戦うということにより、また強くなれる部分もあると思いますので、今後もこの最高峰の舞台で自分を高めていければというふうに思っております。
今回の7番勝負も第1局の天龍寺(京都市)に始まり、おなじみの宿を回りましたけども、毎局素晴らしい対局場を設営していただきました。そのような場所で竜王戦を戦えるというのは、棋士冥利に尽きますし、第6局は早い時間帯に負けてしまいまして、申し訳ないなという気持ちもあったんのですが、少なくとも第7局は竜王戦にふさわしい将棋を指さないといけないという気持ちを持って臨みました。
今回の就位式は第7局から、まだ日が経っていないこともありまして、まだ興奮冷めやらないところもありますが、また次回の戦いに向けて準備していかなければいけないと思いますし、ここからは自分の記録(9連覇)に一歩でも近づけるように頑張っていきたいと思っております。
既に始まっております来期では、加藤一二三先生(九段)と藤井聡太君(四段)の対局が話題を集めましたけれども、若い世代と戦うのも楽しみなことでありますし、私自身も(加藤九段のように)の長い活躍を出来る棋士を目指していきたいと思っております。
最後になりますが、この竜王戦を主催していただいております読売新聞社さま、また、お世話になりました対局場の皆様、関係各位の皆様方に暑く御礼を申し上げましてあいさつとさせていただきます。本日はありがとうございました」
上記のように述べており、公式な場としての謝罪コメントとしては無難というか、あまり突っ込んでない謝罪になっている感じがします。
自身のブログでは「メディアが騒ぎだすのが判ったタイミング」と将棋連盟への「相談」のタイミングの問題で自身の発言の真意が一人歩きして誤解された部分もあるという趣旨の事を述べられていました。
羽生善治名人も疑惑の最中には「黒に近いグレー発言した事は事実」と言った事からも「何かしらの疑心暗鬼」が将棋界、トップ棋士達に立ち込めていたと思われます。
しかし冷静になってみると「三浦九段が不正をするタイミングがありえなかった事が解り」、報道が魔女狩りのような一人歩きの報道だった事が伺えます。
谷川浩司将棋連盟会長も1月18日に連盟会長を辞任する騒ぎになっており、不正疑惑騒動は収束しつつありますが、「近年の将棋ソフトのレベルが格段に上がった」という背景も騒ぎの一因でした。
三浦九段や渡辺明竜王、羽生善治名人ら将棋のトップ棋士達にはコンピューターに圧倒的に勝つ将棋を指して欲しいですね!。
ファンもトップ棋士達の活躍を期待していると思います。