先日のコインロッカーの鍵の記事に関連して、鍵業界のタブー、禁忌の一つが判明!街の合鍵屋さんのタブー(禁忌)を紹介します。
ひょんなきっかけから聞けた意外な事実です。
前回「コインロッカーの鍵が原則一つしかない」でもスペアが欲しい!(紛失のリスク対応)
と考えた知人の勤める会社では「できるだけ費用を安く鍵を購入したい」と考えます。
方法として
・メーカーに直接注文(断られる、もし売ってくれた場合は1本500円くらい)
・全ての鍵が開くマスターキーをメーカー注文(断られる、もし売ってくれた場合は1500円くらい)
・スペアは諦め、紛失しないように注意する(追加費用0円、これが一番安く、費用が発生しない)
だったので、お金の一番かからない「スペアを諦める」を選択しました。
この話を聞いたブログ主が余計なお世話で「合鍵作ったら、1本500円~大量に頼むならもっと安くなるんじゃない?」
と街の合鍵屋さんに鍵を持って聞きに(結局、取材に)行きました。
しかし意外な事実が判明します。
結論から言うと
「コインロッカーの鍵は複製できません」
「この仕事(コインロッカーの鍵作成)は鍵業界の禁忌で業界の不文律になっています」
「請け負ったら最後、この仕事が出来なくなってしまう」
と言うことでした。
なぜ禁忌なのか?
普段、家の鍵から車の鍵、金庫の鍵までいろんな鍵を作り続けて「生計を立てている」合鍵屋さんなのになぜ拒否するのか?
鍵開けサービス(家に入れない、車に鍵を閉じ込めた)などで鍵をスムーズに開けるスペシャリストが断ると言うことはよっぽどの事だと思いましたが理由を聞くと納得します。
断る理由
「ロッカーキーは荷物を預かると言う性格上、犯罪防止の観点から仕事として請けない」
※ロッカーの鍵を製造しているメーカーと同じく、コンプライアンスの徹底ですね。「家の合鍵で泥棒に入られた、車を盗られたと」の違いは何処にあるのだろうと一瞬考えましたが「不特定多数の人が利用」と言う点でしょうね。
「合鍵を作る為の「型」をメーカーが渡さない」
※今回取材した合鍵専門店では常時2000から3000本の「鍵の型」←(削ってすぐ出来るあの型の事)を在庫で持っており、大半の製作依頼に対応できるそうなのですが、コインロッカーで使用されている鍵型は1本も持っていない(鍵メーカーが渡さない)そうです。鍵メーカーも徹底しているんですね。壁一面ズラッと鍵の型が並んでいましたが1本も無いとは驚きです。
「どうしても作ってくれと言う場合は作れないことは無いが、鉄を一から切って削って、彫って作るので時間(1ヶ月~)と料金が高額(最低5000円~)がかかる」
※作っても精度が悪く、使えない場合が多くなるそうです。また鍵のシリンダーを破壊して交換のほうが費用が安く済みます。(1800円~)
「また、所有者がハッキリしており、犯罪に絶対に悪用されるような状況で無いものが証明できた場合に限る→(例:古い業務利用できないようなもので思い出の鍵など)」
※曖昧ですが、普通は請けないそうですので製作依頼を請けてくれるハードルは高いようです。
普通のコインロッカーの合鍵作成を請け負ったことがばれると業界的に非常にマズイようで合鍵屋さん自身の存亡にかかわる問題になるような説明でした。
こういう理由から「禁忌」タブーとの事。
鍵メーカーから自分ところで使う商材「鍵の型」を提供してもらっている以上、「仕方が無い部分」と「犯罪防止」ということですね。
「コインロッカーの鍵は作らない、作ったら鍵屋失格」という不文律のようです。
この話(合鍵作成は断られた事)を知人にしたところ
「そういえば、問い合わせしたコインロッカー製造業者が街の合鍵屋さんじゃスペアは作れませんと言っていたからメーカーに注文できるかという話になった」
と「先に言えよ」と言いたくなる話でしたが、おかげで面白い無駄知識が聞けたので結果オーライでした。
ちなみに「鍵開けサービス」(5000円~10000円位)は管理者の要請ならコインロッカーでも開錠OKだそうで、「もしもの際は呼んでください」と営業をかけられたオチとなりました。
コインロッカーの鍵ってみんなの知らないところで「慎重に管理されている」んですね!