日本将棋連盟は12日、三浦弘行九段(42)を年内(12月31日まで)の公式戦出場停止処分にしたと発表した。
表向きの理由は休場届の提出が無かったとなっているが、本当の理由は「スマホで対局ソフトを使い不正なカンニングをしていたのではないか?」という疑惑が上がったためだ。
三浦九段といえば1996年当時7冠(タイトル独占)だった羽生善治から棋聖を奪取し、タイトル独占を崩して一躍注目を集めました。
向かうところ敵なしの羽生名人の牙城を崩したことで当時のマスメディアは大きく報道し、将棋に興味があまり無かったブログ主も将棋に興味を持つきっかけになったのでよく覚えています。
今回の処分は三浦九段が最近の対局中、2016年の夏ごろから終盤に不自然な離席が多く「将棋ソフトを用いた不正行為を行っているのでは?」と複数の棋士達(5人前後)から指摘が上がっていた為、将棋連盟常務会で尋ねたところ、「部屋で体を休ませていた」と説明。
連盟の調査に対し「これではとても(将棋を)指せないので休場する」と申し出があり、12日午後3時までに休場届を出すよう促したが、提出が無く処分という事になった。
本人は「ぬれぎぬです、やましい事はしていない」と否定しており、今後は弁護士と相談し行動するという。
スマホ、電子機器持ち込み禁止が決定していた
現状の対局では対局中の外出時や中座の際に、パソコンやスマホで将棋ソフトを使用し、対策を考える【カンニング】が物理上可能となっていたが、今年に入り規制が必要なのでは?と棋士たちの間で議論が持ち上がる。9月下旬に行われた棋士60人参加の会合で規制賛成が多数となり、常務会を経て12月14日から公式戦で禁止と決定、10月5日に発表したばかりだった。
タイトル戦に関しては主催者と対局者の意向に一任するが15日開幕の第29期竜王戦7番勝負では、荷物検査やスマホの預かりが公式戦に先んじて実施される事になっている。
将棋界のトップ棋士、羽生善治3冠(王位、王座、棋聖)は9月の対局後の取材で「性善説で動いているということが将棋界のいいところでもありましたが、そうとばかりも言っていられない時代になったのかなと思います」とコメント。
竜王戦挑戦者変更に
三浦九段が挑戦予定だった竜王戦7番勝負は、挑戦者決定戦で敗れた丸山忠久九段(46)が代わりに渡辺明竜王(32)と対局する。
主催の読売新聞社が了承したとはいえ開始直前の挑戦者変更は異例中の異例。
また、三浦九段は名人戦A級順位戦で現在1勝3敗だったが、11月と12月の対局は、不戦敗になる見通し。
三浦九段はタイトル獲得1期(棋聖)、順位戦A級通算15期と実績があるだけに今回のような疑惑が持ち上がるのは非常に残念です。疑惑を晴らし、今後の活躍をファンは期待しています。
今回の疑惑は、近年の対局ソフトの急速な進化や対局のネット生中継でファンがプロ棋士の離席の確認も出来るようになった事も背景としてあるのではないでしょうか。